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    -----------------  一般論文冒頭部分(抄録より抜粋)  ------------------
咬インベントメントエジェクター第2報-油圧プレス用アタッチメント-
中西竜三郎、林純子、坂口節子、佐藤吉則(日本大学歯学部附属歯科技工専門学校)、廣瀬英晴(日本大学歯学部歯科理工学教室)
[緒言]
歯科技工実習作業の効率は、使用する材料および器具に影響される。鋳造工程で鋳込み後に鋳造リングから鋳造体を取り出す作業は、一般に学生らは手指の母指(親指)で鋳造リング内の湯残り部を押して行っている。この作業は非力な学生には困難で、湯残り部を金属棒などで突いたり叩いたりして取り出しているのが現状である。この金属棒を用いた作業は、鋳造体に変形を生じさせる原因となる可能性があって好ましくないと考えられる。(続)
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解剖学的見地による電動ヘッドレストを備えた歯科用チェアの開発
佐野敬隆(株式会社吉田製作所 ユニット事業部)
佐藤博、藤島渉(株式会社吉田製作所 MRIプロジェクト)
【緒言】
歯科用チェアにおけるヘッドレスト(安頭台)は、患者の頭部を診療しやすい位置で、しかも楽な姿勢で支える必要がある。この要求を満たしていないと、患者は診療以前に苦痛を感じ、さらには歯科医院に対しても不満を抱えるようになってしまう。
また、傾動可能なバックレスト(背板)を備える歯科用チェアの場合、着座姿勢の患者に仰臥姿勢での東部の傾倒位置(楽に開口できる位置)を取らせることは、無理な姿勢を強いることになる。一方、患者が着座姿勢と仰臥姿勢との間で姿勢を変える度に、ヘッドレストの位置を設定しなおすのでは、診療効率が悪くなり患者にも負担をかけてしまう。
これに対して、さらなる診療効率の向上と患者へのおもてなしを行うために、図1のヘッドレスト位置の間を自動で移動できる電動ヘッドレストを備えた歯科用チェアの開発を行った(続)
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等張オゾン水生成装置の開発 
新井浩一(日本捲線工業株式会社、日本大学歯学部歯科理工学教室、昭和大学歯学部歯科理工学教室)
廣瀬英晴、米山隆之(日本大学歯学部歯科理工学教室)
玉置幸道、宮崎隆(昭和大学歯学部歯科理工学教室)
安藤進夫(日本歯科大学生命歯学部歯科理工学講座)
【緒言】
わが国におけるオゾンの歴史を見ると、1933年オゾン含有の歯磨き剤が考案されたのに端を発し、歯科保存、口腔外科分野での応用研究が開始された。歯根膜炎をはじめ、肩凝りと歯痛との関連にオゾンを応用し、次いで、感染硬組織疾患、歯周病に応用して多大な成果を上げていた。歯周病への応用に関しては、細菌、病理学的な基礎実験、臨床実験を主に行っていた。また、感染根管の薬物的消毒法の一つとして用いた例もあり、オゾンが血液に及ぼす影響や生物発育に及ぼす影響など、生体に対する副作用をも検討していた。一方、口腔外科分野では、その応用範囲は炎症性疾患のみならず歯の漂白や硬組織疾患の殺菌にまで言及していた。(続)
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操作が簡単なオゾン化オイル吸着シート製造装置の開発
新井浩一(日本捲線工業株式会社、日本大学歯学部歯科理工学教室、昭和大学歯学部歯科理工学教室)
廣瀬英晴、米山隆之(日本大学歯学部歯科理工学教室)
安藤進夫(日本歯科大学生命歯学部歯科理工学講座
【緒言】
著者らの研究開発の目的は低濃度オゾンの効用を一般家庭に利用できるようにすると共に医科・歯科の医療領域に導入することである。この目的を達成するために超小型オゾン発生管を利用し、気体オゾン利用の各種装置、オゾン水製造装置及びオゾン化オイル製造装置などの開発を行ってきている。
医療分野での利用としては気体オゾン療法やオゾン化合物を利用するオゾン化オイル療法がある。
オリーブオイルをはじめとして、食物オイルをオゾン処理することによって得られるオゾン化オリーブオイルはその代表的なものである。(続)
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特殊スポンジを使った簡便な石膏作業について
田中誠(愛歯技工専門学校)
【緒言】
歯科用石膏は、模型材として優れた性質を有し、古くから利用されてきた。標準混水比で練和すれば流動性が良く、高い再現性が期待でき、必要とされる強度も得られやすい。また、安価で経済面でも優れている。
一方、印象材から撤去した作業模型の基底部の厚みを得るための台付けや咬合器への模型付着時には模型基底面とマウンティングプレートとの間隙を石膏で埋めることに代表されるように「盛り付ける」ような低い流動性のほうが都合よい場合が多い。石膏を厚く盛る必要がある場合、許されるのであれば混水比を小さく(粘度を調節)し、操作性を重視するのが良いが、咬合器への模型付着のように精度上適さない場合もあり、煩雑ではあるがボクシング操作の後、標準混水比で作業するのが一般的である。
今回、そのボクシング操作を省くため、仕上がり形状に設計した特殊スポンジに石膏泥を含ませ、石膏概形を整える方法を考案した。これにより「操作性が向上する」「石膏が節約できる」など数々の有効性が明らかとなったので発表することにした(続)
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義歯用クラスプを応用した矯正装置
藤井佳朗(新神戸歯科)
緒言:
歯列矯正において歯牙を歯体移動させようとする時、頬側にブラケットを取り付けエクスパンジョンコイルなどで移動させようとすると、頬側が舌側に比べて、大きく移動する傾向がみられ、歯牙が捻転することがある。捻転を防止するために、当該歯牙およびアンカーになる歯牙に帯冠を取り付け、頬舌側ともに移動装置を取り付け歯体移動を行うこともあるが、装置取り付けまでに複雑な技工操作が必要で、該当歯牙に装置を取り付ける際にもかなりの時間と労力が必要である。可徹式でない為清掃がしにくく不潔になる場合もある。さらに患者で、義歯の維持装置として頻用される、2腕鉤クラスプを応用する着脱可能な歯牙移動矯正装置を考案した。(続)
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   歯機器誌 JJDent Equip Vol.16 No.1 2011 (平成23年3月) 目次
巻頭言 知的財産世紀における特許取得の薦め
第20回研究発表大会受賞リスト
ゴシックアーチトレーサー・ピン簡易装着補助器具
西山和彦(あい歯科クリニック)
緒言
ゴシックアーチに関して、日本学咬合学会編纂の書籍に「来院回数、技工料金がさらにかさむ経済的理由からほとんどの開業医が活用していないことに驚かされます」との記載がある。
咬合支持を失ったケースの咬合採得にゴシックアーチは必要不可欠なものと思われるが、上記のようにあまり使用されていないのが現状のようである。
本文はその理由を考察し、より容易に行う方法として「下顎ピン、上顎にプレート」という従来法と逆の発想を紹介し、さらに「ピン簡易装着補助器具」を考案・使用しているのでその概要を述べる。(続)
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回転式歯ブラシ(ペリオラ:periora)の開発および歯垢除去に対する評価(実験モデルを使用)
八重樫潤(銀座US歯科)
【目的】
前回、ペリオラ(以下、periora)を用いて歯垢除去の効果効率を臨床評価し良好な結果が得られたことを報告した。そこで本研究においてほかの円形歯ブラシおよび平線植毛ブラシ(以下、平ブラシ)との刷掃効果を比較検討するために実験モデルを使用し評価した。(続)
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☆第20回道具大賞にて発表 ↓クリックで冒頭を表示します
一般論文 1 .インベストメントエジェクター 第2報-油圧プレス用アタッチメント-
  〃

2 .等張オゾン水生成装置の開発 

  〃 3 .操作が簡単なオゾン化オイル吸着シート製造装置の開発
  〃   4 .特殊スポンジを使った簡便な石膏作業について
  〃 5 .ゴシックアーチトレーサー・ピン簡易装着補助器具
  〃 6 .回転式歯ブラシ(ペリオラ:periora)の開発および歯垢除去に対する評価(実験モデルを使用)
  〃 7 .義歯用クラスプを応用した矯正装置
  〃 8 .1軸ロボットを応用した摩耗試験機の試作
  〃 9 .ユニットチェアの快適性研究
  〃 10 .解剖学的見地による電動ヘッドレストを備えた歯科用チェアの開発
日本医用歯科機器学会理事会議事録
日本医用歯科機器学会会則
編集後記

ユニットチェアの快適性研究
根本忠明、竹内智之(株式会社吉田製作所マーケティング部デザインセンター)
【緒言】
現在歯科医院での診療はほとんどが予約制であり、待合室で長時間待機するということは少なくなった。しかしその反面、特に外気温が高い夏など、患者は待合室で十分なクールダウンをする間もなく、汗をかきやすい状態のままチェアに座って診療を受けなくてはならないことが多くなった。
人は運動時はもちろんのこと、平常な状態であっても絶えず熱と水分を体外へ放出している。歯科用チェア着座時には人体からの熱は衣服を通って、チェアシート表皮とその下にあるウレタンクッションに到達するが、ウレタンの熱伝導率が低いため熱は皮膚とウレタン間で滞留し、皮膚温が上昇する。もう一方の放出された水分も衣服は通るが、シート表皮に透湿性がないため、熱と同様に滞留が起こる。また、滞留した熱による皮膚音の上昇が発汗を促進し、「蒸れ」を増大するといった悪循環が起きている。
これに対して、患者とチェアが接する空間で滞留した熱と水分を除去するために、チェアに送風ファンを取り付け、常時換気を行う対策を考えた(続)
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1軸ロボットを応用した摩耗試験機の試作
高橋英和、岩崎直彦、Natthavoot KOOTTATHAPE
(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 口腔機能再構築学系摂食機能保存学講座 先端材料評価学分野)
青柳裕仁、楳本貢三(神奈川歯科大学生体材料器械学講座)
緒論
修復用コンポジットレジンの物性はマトリックスレジンの改良やフィラー粒度の調整などにより大きく改善した。しかしながら、臨床経過を観察すると、依然として摩耗は重要な問題とされている。
すでに多数の摩耗試験機が開発、提案されているが、必ずしも満足のいくものばかりではない。これは、摩耗に影響する要因が多数ある為に、摩耗条件をどのように設定するかで摩耗の状況が異なってくるためである。摩耗の機構については凝着摩耗、切削摩耗、疲労摩耗、腐食摩耗があるとされている。これらの摩耗に関する要因としては、摩耗運動の滑走と衝撃、2体摩耗と3体摩耗、3体摩耗での媒体物、摩耗時の荷重、相手材料の素材、評価方法、などが挙げられる。
ISO/TS 14562-2に示されている摩耗試験機を表1に示す、がそれぞれの提唱機関によって摩耗試験の条件が異なっているのが現状である。歯科材料が口腔内で使用する材料であることを考えると加及的に口腔内に近似した条件で摩耗試験を行うことが適切である。(続)
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